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ミニバスプレミアム
東京 / 2015

「十二単」

旅行会社として創業したアウテックには、世界のエグゼクティブやセレブリティに定評のあるアテンド力があり、ゲスト一人ひとりに、オーダーメイドのプランニングとおもてなしを提供するハイヤー会社である。

そして、ミニバスプレミアムは自社のオリジナルのマイクロバスである。

その空間に、求められたことは、日本の空港に初めて降り立った世界の人々に、「日本」を体験して頂くことであった。

そこで、インテリアには、京都西陣で織った西陣織を採用し、平安時代の10世紀から始まる日本独自の十二単を表現する事を試みた。

十二単では、重ね・襲ねの取り合わせを「重ね・襲ねの色目」という。(色目とはそもそも、十二単などによる色の組み合わせを言う)

重ね(かさね)・・・袿の上下に重ねること。袖口・裾などに衣がすこしずつ覗き、着こなしの工夫が多くなされた。
襲(かさね)・・・袷の表地と裏地の色の取り合わせによって透けて見える具合。

色目については主に季節感を取り入れた組み合わせになっており、春夏秋冬・または植物や色単体のグラデーションの種類が豊富にあり、着用の季節や行事によって使い分けられていた。

今回は「秋」をテーマにした、紅紅葉(くれないもみじ)/ (紅葉の名が入った色目は数種類あるが、中でももっとも紅葉した状態の山々の情景を表現した色目)を採用した。

また、紋は入れ子菱(いれこひし)を採用した。
(二方向の平行線が重なってできた文様で、菱形を基本としている。
菱形の中にさらにいくつかの菱を入れて入子にしたもの。縄文前期の土器にすでに刻まれているという。)

そして、外装は空港に降り立った世界の人々に、日本の文化を直接伝えるために、10カ国語で「十二単」を説明している。
また、この説明は近づくと言語として認識できるが、少し離れると入れ子菱の紋が現れる仕組みとなっている。

私はこのバスが日本と世界の橋渡しに貢献することを望んでいる。

写真撮影 宮本 啓介


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ku:kan 2015年9+10月号